固定残業代とは

月曜日は横浜で会社を経営している昔の後輩とランチから。
5000円くらいするらしい鰻をゴチになりながらの相談業務でした。ちなみにこの鰻丼、ご飯の下に更に鰻が仕込んでありました。
さて、長時間労働促進制度であるとか、脱法行為であるなどと労働者側の弁護士さんには評判の悪い固定残業代(定額残業代)ですが、現行法では直ちに違法になるということはありません。
しかしこの制度には厳格な運用が求められており、固定残業代を払っているからそれで良いわけではないのです。

まず第一に、所定労働に対する賃金と、時間外労働に対する賃金を明確に区分して表示しなければなりません。
この「明確に区分して表示」というのは、わざわざ計算などして算出しなくても明らかに見てわかるような表示がされている必要があります。
例えば、月給35万円、固定残業40時間を含む、などというものは認められません。

二つめに、固定残業代として定めた時間を超えて労働させた場合には、当然にその分を追加して支払わなければなりません。もし固定残業代が20時間分なのであれば、30時間の超過勤務では10時間分の残業代を追加して支払います。
これは常識で考えても当たり前のことですね。

三つめは、固定残業代として定めた時間が過重労働につながるような長時間で無いことです。36協定で定めた時間外労働の限度を超えるような長時間の固定残業代とすることは、協定の趣旨に反しますし、結果として過重労働を誘発することになるからです。

この三つを守るのなら、最初から固定残業代など導入せずに、普通に残業した分を払えばよいということがわかります。

脱法行為だと言われるのは、求人段階で固定残業代込みの金額を月給として記載するからです。
これにより一見すると高給を支払ってくれるように見えますが、実際に勤務してみると全然給料が増えていないわけです。会社に問い合わせると、50時間までの分は基本給に含まれているんだから支払う義務は無い、などと言われ、労使紛争に発展するケースも出てきます。

過重労働が社会問題化している以上、今後はこの固定残業代は違法なものとされる可能性もあります。
導入するメリットなどありませんから、労基から余計な調査をされる前にこんな制度はやめておいた方が無難です。

CLARITY Coaching

プロコーチ/特定社会保険労務士/行政書士/中村琢也

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