金銭解雇のガイドラインなのか

厚生労働省の有識者検討会で、労働審判における不当解雇の金銭解決に関する分析結果が出されています。
解雇無効と想定されるケースで企業が支払った解決金は月収の0.84倍に勤続年数を乗じた金額になっているとし、勤続10年であれば月収の8倍ほどになる計算です。
しかしこれまで解雇の解決金を払う際に、勤続年数を考慮したことなんてあったのでしょうか?
この検討会では、解雇が有効とされる場合の解決金は月収の2〜3ヶ月相当であり、勤続年数は無関係としています。

確かに実務上の解決金の相場というものはなく、個別事情に応じて月収の6ヵ月分から1年分、多ければ2年分相当だと思われます。もちろんもっと多いケースもあるでしょう。

それを政府機関、しかも経産省でなく厚労省が月収8ヵ月分の解決金を支払えば解雇出来ているのが実情だと発表しているわけです。
しかも不当解雇で8ヵ月分、有効な解雇であれば2〜3ヵ月分で良さそうだ、と。
この検討会での分析結果とされるものは、今後の解雇の金銭解決を合法化に向けてのガイドラインを出したものなのではないか、と勘ぐってしまいます。

政府のやり方を見ていると、非正規に対しては雇用の安定を図って無期雇用にさせ、手厚く保護されすぎている正社員については金銭解雇を認めて雇用の流動化を図り、二者の距離感を縮めるような施策を進めていると考えられます。


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プロコーチ/特定社会保険労務士/行政書士/中村琢也

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